少年ジャンプ+漫画賞春期

結果発表

準入選が1本、佳作が1本、 編集部特別賞が1本出ました!

ただいま募集中の
少年ジャンプ+漫画賞」はこちら

少年ジャンプ+でヒットを目指す新人作家、求む!!
少年ジャンプ+でヒットを目指す新人作家、求む!!

準入選

賞金 50万円

少年ジャンプ+に受賞作掲載

「黒染まる星」乙畑閑

「黒染まる星」乙畑閑

あらすじ

ある日唐突に地球を覆った黒い水。宇宙間戦争の会場となった地球で他星人と戦うように選ばれたのは、ごく普通の青年だった。

講評

「黒い水が地球全土を覆う」という印象的な入りと冒頭の妹との会話が上手いトリックになっており、最後にすべてが明かされる構成が見事でした。セリフ1つ1つやキャラの佇まいにもセンスを感じます。ただ主人公が勝てた理由が曖昧など詰め切れていない部分もあり、画力もまだ拙く感じられるため、これからどんどん力を伸ばしていってほしいです。期待しております。

佳作

賞金 30万円

少年ジャンプ+に受賞作掲載

「morning glow」のらまめ

「morning glow」のらまめ

あらすじ

高校3年生のゆっことヨモギは、引退ステージを控える演劇部員。ゆるくやりたいというヨモギに言い返せないゆっこだったが、ある日熱意ある新入部員がやってきて…。

講評

思春期の微妙な心の揺れ動きが丁寧に描写されており、学校の空気を濃く感じられる作品でした。味のある絵柄も作風に合っています。主人公が本音を吐露してからがやや駆け足に見えたので、終盤のドラマを急いで畳まないように意識するとより良かったと思います。今後に期待しております。

編集部の期待を集めた作品のため編集部特別賞の授与を決定!編集部特別賞

賞金 15万円

「呪いと呪い」伊坂庵

「呪いと呪い」伊坂庵

あらすじ

主人公の家は代々、陰陽師として第三次世界大戦の呪いを封じてきた。父が亡くなった今、主人公は初めて呪いの封印に挑戦するが…。

講評

主人公や敵のキャラデザ、バトルシーンの細部までこだわりが感じられる作品でした。戦っているときのキャラの表情に色気があり、伸びしろを非常に感じます。まだ16歳とお若いので、たくさん描いて成長していってください。期待しております。

最終候補

賞金 10万円

「心中のキス」加津島柊

「心中のキス」加津島柊

あらすじ

鬼の面を被る主人公と唯一話してくれるのはクラスのマドンナ。卒業式当日、二人は一緒に帰る約束をして――

講評

この作品だからこそ描けるものを描けていた作品でした。良い構図で描かれた絵もあって良かったです。少しストーリーに粗い部分があったので、今後はストーリーの構成や展開を丁寧に作っていく部分を心がけてみてください。また、キャラクターのちょっとした仕草などで感情表現ができると作品に深みがでるかと思います。次回作も期待しております。

「波からつれだして」佐乃月しま

「波からつれだして」佐乃月しま

あらすじ

ある日、秋の海に裸足で入っていく制服の少女を見つけ――夢を持ったことのある全ての人に贈る物語。

講評

ストーリーが丁寧に作られており、読者の心を掴める作品になっていました。キャラクターの感情描写が豊かだったところも良かったです。今後は表情以外での感情表現の方法や構図にこだわってみるとまた違った作品の描き方ができると思います。また、印象的なセリフを入れることなども意識してみてください。次回作も期待しております。

「ハイマックスガール」琴平

「ハイマックスガール」琴平

あらすじ

履いた者は呪われると噂の“初代ハイマックス83's”!偶然にもそれを履いてしまった女子高生とそのスニーカーを狙う輩との超絶スニーカーバトル、開幕!!

講評

題材であるスニーカーへの愛はもちろん、そのスニーカーを色んな角度からいかにカッコよく見せるかなど画面構成の力が高い作品でした。アクションのシーンも意識して描けており良いのですが、画面の情報量の多さは改善の余地あり。ジャンプ+という媒体の性質上、セリフ量の多さや、ごちゃついた画面作りだと読者のストレスになってしまうので、今後は意識して取り組んで欲しいです。

「不死身の励魂歌」中川相棒

「不死身の励魂歌」中川相棒

あらすじ

不死身の身体を持ち、300年以上生きてきたカオル。ある日自殺未遂から助けてくれたチアキに恋をして、彼女の人生が回り始める。

講評

不死身ながら愛が重ためのカオルと、事情を抱えるクールなチアキの組み合わせが面白く、キャラクターに力を感じる作品でした。後半の展開がやや急に感じられましたが、2人の恋愛でしっかりオチをつけていたのも良かったです。設定で話を進めないよう意識しつつ、次回作にも期待しております。

「ユグランドスケイプ」前野かや

「ユグランドスケイプ」前野かや

あらすじ

ユグドラシル魔法学園で学ぶ双子の姉妹。一人は全く魔法の才能がないが、もう一人には飛びぬけた魔法の才能があって…!?

講評

基本的な画力が高く、世界観を匂わせつつ、説明的になりすぎないセリフにもセンスを感じます。場面転換の際にヒキの絵を入れるなど、細かな漫画としての読みやすさを上げていけると、さらにレベルアップ出来そうです。次回作に期待しております。

「ゴーイング・オーバー」羽多野絵麻

「ゴーイング・オーバー」羽多野絵麻

あらすじ

失踪した友人を探す主人公が思い出すのは、友人と共に「グラフィティ」をして過ごした青春の一幕。

講評

展開で読者を楽しませる作品でした。「グラフィティ」というモチーフを上手く使えている部分も良かったのです。やや作品に含まれる要素が多い印象だったので、今後は要素の取捨選択を心がけてみてください。また、ページのめくりを意識したコマ構成などができるとさらに読みやすい作品になると思います。次回作も期待しております。

「愛のかたち」寿猫くるみ

「愛のかたち」寿猫くるみ

あらすじ

自分と相性の良い人間を見分けるシステム「愛のかたち」。この開発後人類は平和な日々を送っていたが、主人公・シロは愛のかたちの適応者が0人だの罪人と認定されてしまい…。

講評

「愛のかたち」という設定を上手く使ったお話で、最後主人公とジウくんが肩を組むというラストが秀逸でした。ただ画面がごちゃついていたので、引きの絵を混ぜつつ読みやすい画面作りを意識してみましょう。次回作にも期待しております。

「その列車あの世行!」夢宛案内中

「その列車あの世行!」夢宛案内中

あらすじ

廃列車に住む子供たちから、「おばけが出るので退治してほしい」と依頼を受けた案助。そこに出たのは死んだはずの剣豪の霊で…!?

講評

案助の好感度が非常に高く、子供たちの面倒を見ることでどちらも救われるラストが心地よかったです。親しみやすい優しい絵柄も作風に合っていて良いかと思います。まだ少し画面が読みづらく見えるので寄り引きを意識しつつ、たくさん描いて力を伸ばしていってください。

「殺し屋のご飯事情」smz

「殺し屋のご飯事情」smz

あらすじ

藤城白雪は国家の重要機密を握る母を持つ高校生。常に殺し屋に狙われる彼女だが、ある日クラスメートの鞘師くんと仲良くなり…!?

講評

キャラクターの可愛らしさが大きな魅力で、最後恋に落ちるシーンも良かったです。ただドラマ部分が薄く感じられたため、キャラの可愛さだけで乗り切るのではなく、ドラマを丁寧に組むことも意識してみましょう。次回作に期待しております。

「オッサンがいる!」山田始

「オッサンがいる!」山田始

あらすじ

佐野優吾は、こっそり給食を持ち帰って近くの裏山で犬を飼っていた…ら、マダオなオッサンと遭遇する。
初めは不審に思うものの、オッサンに懐柔されて犬と同じく給食の残りを分け与えることに……

講評

平凡な少年の小さいけど、本人にとっては大きな悩みを丁寧に描けてました。
キャラクターも個性をしっかり出せていると思います。さりげないセリフが軽妙でセンスを感じます。
もったいないのが、作画の線が細いためか全体的に白く感じてしまいました。
ペンの太さを変更したり、描きこみ量を増やして絵の明度を上げると、さらに作品に厚みが出るかと思います。頑張ってください、期待してます!

「不殺兵」田カナエ

「不殺兵」田カナエ

あらすじ

ダニーが誰かを殴っても、その攻撃はすり抜けてあたらない。物理的に人を殺せない特性を持つにも関わらず、彼はある日強制的に戦争に駆り出されてしまい…。

講評

まだ拙いものの、絵に情念が感じられる作品でした。1枚絵や見開きで魅せる勢いも良かったです。ただ「すりぬけてしまって当たらない」という不思議設定が回収されずに舞台装置としてのみ存在してしまったので、最後その設定で解決するのがもったいなく感じられました。設定で解決することがないよう意識してみるとより良かったと思います。次回作も期待しております。

「夏」章次一郎

「夏」章次一郎

あらすじ

母さんが死んで1年。父さんは気に入らないことがあると、いつも僕を殴る。しかしある日、父さんが帰ってこなくなり…。

講評

空白の入れ方と間の取り方が上手く、作品独特の空気感が心地よい作品でした。表情の微妙な差も丁寧に描かれていて良かったです。ただ話が唐突に終わってしまった印象なので、どうしようもない現実のその先が描けるようになってほしいです。まだ描き始めたばかりかと思いますので、たくさん描いて経験を積んでください。期待しております。

総評

今回が初めての開催となる「少年ジャンプ+漫画賞」。バラエティ豊かな作品が集まり、審査も大いに盛り上がりました。
構成の巧みさが評価された準入選『黒染まる星』、心情描写の丁寧さが光った佳作『morning glow』のほか、若さと才能で編集部の期待を集めた編集部特別賞『呪いと呪い』など、多くの才能が力を発揮した回となりました。
その一方で、今回大賞は該当なしという結果となりました。あと一段階ドラマやキャラを魅せられれば、より高い評価を得られた作品も多い印象です。
次の「少年ジャンプ+漫画賞」で初の大賞を取るのはあなたかもしれません。次回も皆さんの意欲作のご応募、お待ちしております!