少年ジャンプ+漫画賞夏期

結果発表

佳作が2本、 編集部特別賞が1本出ました!

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少年ジャンプ+漫画賞」はこちら

少年ジャンプ+でヒットを目指す新人作家、求む!!
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佳作

賞金 30万円

少年ジャンプ+に受賞作掲載

「金曜日よりの使者」本田三五

「金曜日よりの使者」本田三五

あらすじ

社長の息子を誘拐したと思ったら、息子がやけに乗り気で困ってしまい…!?

講評

普通の誘拐事件かと思いきや、良い意味で裏切ってくるお話でした。主人公と少年の組み合わせもバランスが良く、どちらも前を向くラストは秀逸で、読後感が非常に良かったです。読みやすいネーム構成も武器かと思います。ただセリフで話が進むことが多く感じられたため、魅せる演出へのこだわりがあるとより良かったと思います。次回作にも期待しております。

「君は悪者」根塚山葵

「君は悪者」根塚山葵

あらすじ

学校のアイドル・家入さおりに恋をする僕。周囲からもお似合いと言われていた。しかしある日、家入さんの体操着を盗んだと言いがかりをつけられてしまい…。

講評

最後まで驚きに満ちた展開で、読み手を飽きさせない工夫がみられる作品でした。湿度を感じさせる絵、多彩な表情も魅力です。ただラストのオチの演出にややアイデア不足な印象を受けました。大ゴマの有無などで大分読みごたえも変わる部分だと思うので、模索してみてください。また展開に変化があるのは良い分、展開続きで長く感じられもしたので、構成を整理するよう意識してみましょう。次回作にも期待しております。

編集部の期待を集めた作品のため編集部特別賞の授与を決定!編集部特別賞

賞金 15万円

「サケレンジャー」十月トウカ

「サケレンジャー」十月トウカ

あらすじ

酒に呑まれた人間が暴徒化する日本。酔いどれ退治に向かうのは、酒を飲み干し力に変えるサケレンジャーだった…!

講評

「酒を飲んで戦う」というシンプルな設定ながら、絵で楽しませる工夫が随所に凝らされており、読み応えのある作品でした。それぞれキャラクターに説明役・ライバル役などが分かりやすく割り当てられており、ストレスなく読み進させる力もあります。ただ一方で、キャラクターの描かれ方やバトルの展開に既視感を覚える箇所もありました。今流行っているものを研究しながら、自分にしか描けない作品を模索していってください。

最終候補

賞金 10万円

「クラッシュエンゼル」ちとーけい

「クラッシュエンゼル」ちとーけい

あらすじ

教会で「天使狩り」を行うクラッシュエンゼル・トーアと出会った主人公・吉七。自分もクラッシュエンゼルになるよう言われ…

講評

演出力があり、読者を楽しませる画面作りができていたと思います。キャラクターも魅力的でした。表現の部分で言うと、同じような表情が多い印象があったので、もう一歩そういった部分を高めてもらいたいです。また、キャラクターの感情面にやや共感しづらい部分があったので、読者が読んでどう思うかという部分も考えてみるとより読み応えが増すと思います。

「狭霧の海賊船」天谷颯人

「狭霧の海賊船」天谷颯人

あらすじ

流浪の海賊アルバと、父を攫われた少女メアリー。二人の敵は、巷で噂の凶悪海賊キャプテン・ロウで…

講評

絵作りが丁寧で読みやすかったです。キャラデザのこだわりなどから「キャラを立てよう」という意識が見られ、好感を抱きました。モチーフやキャラ配置がわかりやすい分、物語の展開が予想の範囲内に留まってしまっている印象も受けます。この作品にしかない強み・新しさはどこにあるか、しっかり意識するようにしましょう。

「地縛霊を撃退する方法」たまごはん

「地縛霊を撃退する方法」たまごはん

あらすじ

高校デビューをし、可愛い彼女と付き合えてご機嫌の拓哉。彼女が家に遊びに来ることになったが、家には地縛霊がおり…。

講評

怒涛の展開からのタイトル回収が鮮やかでした。主人公のツッコミのテンポも良く、作風がはっきりしているところも魅力かと思います。ただまだ絵が粗く、特に表情が硬く見えてしまったので、たくさんの作品を描いて画力の研鑽を積んでください。次回作も頑張ってください。

「殺し屋キラを殺せない」矢鳥彗

「殺し屋キラを殺せない」矢鳥彗

あらすじ

凄腕の殺し屋キラにある日舞い込んだ奇妙な依頼。それは、「不死身の少女を殺してほしい」というもので…

講評

主人公と少女の関係が愛しく、好感度の高いキャラ造形でした。主人公の精神的な変化や「不死身」という要素を上手く活かした盛り上がりも、読者が喜ぶ展開だと思います。後半の敵の意図が読みづらく、またキャラ的な魅力にも欠けるため、次回は敵側も含めたドラマ作りを意識しましょう。期待しています。

「アルビーナ」ばくてんとう虫

「アルビーナ」ばくてんとう虫

あらすじ

少女・みーちゃんはちょっと大変な家庭環境の中、バレリーナとしての才能を開花させていく。けれども、それはバレー教室の人間関係にヒビを入れることに…

講評

非常にテーマ的な作品で、難しい内容をしっかりと自分なりに表現しようと努力していました。もったいないのが、主人公がネズミであるために妙なファンタジー感が強く出てしまい、そこで読者を振り落としてる印象があります。想いを詰め込み感情を描くことをしっかりと解ってると思いますので、今度は読者視点からみたらどう読まれるかを含めて企画・構成を練るとよいかと。がんばってください。期待してます。

「トラップトビースト」J-CODA

「トラップトビースト」J-CODA

あらすじ

一つの死体と一人の男。その傍らには怯える少女。数時間前この部屋で、一体何が起きたのか…

講評

時間を遡る構成や、随所に挟まれた緊迫感のある構図など、演出力の光る作品でした。重厚な絵のタッチも作風にマッチしています。一方で、キャラの弱さや物語のわかりやすさなど漫画的なエンタメ性には欠ける印象も受けます。幅広い読者に届けるため、「面白い」の間口を広げる意識を持ちましょう。期待しています。

「軛の勇者」安達テムス

「軛の勇者」安達テムス

あらすじ

討伐した魔王の首と一緒に冒険を続ける勇者。ある日、魔王の首が魔物にさらわれてしまうが…

講評

重厚感のある絵が魅力的で、独自の演出に挑戦している作品でした。誰がどこで何をしているのか分かりづらいシーンがあったので、新しさや見栄えに加えて分かりやすさも意識して表現を模索してみてください。次回作も期待しております。

「襤褸の哀歌」斎藤邪道

「襤褸の哀歌」斎藤邪道

あらすじ

歌手を夢見る少女UCAは路上で練習に励むも誰にも認めてもらえずにいた。そんな彼女の前に現れたのは…ダメ出しばっかりする押しボタン式信号機の付喪神だった――!!

講評

ワンアイディアもありつつ、しっかりと丁寧にストレートな物語を紡いでいて好感度が高い作品。何より主人公のむき出しの感情の描き方が良かったです。もったいないのがやりたいことに画力と演出がついてきていなかったので、基礎をしっかり培って強化してあげてください。もう一歩先に進めると思います。期待しております!

「ファイナルガールは海が見たい」向井裕美

「ファイナルガールは海が見たい」桜馳えいじ

あらすじ

ゾンビだらけの世界で普通の女子高生が望んだものは――絶望の中で眩しく笑う2人の少女の物語

講評

いい意味で予想ができない展開が魅力的な作品でした。世界観とキャラクターもよく馴染んでおり、作品全体でしっかり演出ができていた印象もありました。画面を騒がしく感じてしまうことがあったので、見やすいページづくりを意識していただけるとなお作品の良さが光ると思います。また、印象に残るようなセリフ回しなどができるようになるとさらに読み応えが増すように感じました。

「マルカとクリメク」ひじかた

「マルカとクリメク」ひじかた

あらすじ

狩りが得意な女の子・マルカ。周囲の「女性らしく」という言葉に息苦しさを感じていた彼女は、ある日嫁探し中の男・クリメクに出会う。

講評

遊牧民族の暮らしと、押しつけられる男女の枠を乗り越えようとするキャラクターの組み合わせが新鮮な作品でした。高い画力も題材に非常にマッチしています。展開としては想像の範囲内に収まってしまった印象なので、類型作品を研究して、展開や演出などで新しいアプローチを考えてみてください。

総評

エンタメでは、主人公・登場人物の心情や状況が変化したり、変化にまつわるドラマが無いと面白さに繋がりません。初期設定を考えて、その面白さに満足して終わってしまったのかなと感じる作品が多かったです。 その点、『金曜日よりの使者』は二人のドラマの強さで読者を最後まで惹きつけられたと感じます。『君は悪者』ではトン助のキャラの面白さと謎が物語の原動力になっていました。

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