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無料で読める! マワシヨミジャンプでナルトと忍空だけが集まる聖地を作る

回し読みというものがある。誰かが買ったマンガを読み終わると、別の誰かに貸してあげるというものだ。1冊しか買っていないけれど、多くの人が読めるシステム。学生時代などによく回し読みをしていた。


そんな回し読みができるアプリがある。それが「マワシヨミジャンプ」だ。日本中にジャンプ作品のマンガが落ちていて、無料で読むことができる。ONE PIECEもNARUTO-ナルト-も、週刊少年ジャンプだってまるごと一冊落ちているのだ。


マワシヨミジャンプとは

回し読み、懐かしい響きだ。ジャンプが発売されると、学校でよく回し読みをしていたし、私も兄弟で同じ本を買うのはもったいないので、やっぱりよく回し読みをしていた。ただ大人になり弟は結婚し、友達は元からいないので、回し読みをすることはほぼなくなった。


回し読みできるアプリがあります!(このアプリを愛用している地主です)


そんな回し読みをいつでも誰でもできるアプリが「マワシヨミジャンプ」だ。日本中にジャンプ作品が落ちていて、それを拾い読むことができる。読み終わるとまた別のマンガに交換する。どこにどんなマンガが落ちているかは基本的にはランダムで、見つける楽しみもある。


ランダムにいろいろな作品が落ちています


ランダムに落ちているけれど例外もある。落ちているマンガの内容と場所がリンクしているのだ。たとえば、ジャンプ作品が生まれる東京・神保町にある集英社の周辺は、漫画家を目指す主人公が活躍する「バクマン。」だらけ。東京ドーム周辺は野球マンガだらけ。なかなかに粋な計らいだ。


集英社の周りは「バクマン。」


東京ドーム周辺は野球マンガだらけ!


これはシステム的にこのようになっている。ただジャンプ作品にはいろいろなマンガある。もっと場所とマンガをリンクさせて聖地にしてもいいと思うのだ。山頂で飲むコーヒーのようなロマンがあるではないか。そこで人力で場所とマンガをリンクさせたいと思う。


滋賀県・油日駅に来ました!


油日駅は忍者の街

滋賀県甲賀市にある油日駅。甲賀という名からもわかるように、甲賀忍者のいた場所だ。隣は三重県・伊賀市なので伊賀忍者のふるさと。忍者成分が強い場所で、さらに油日駅の駅舎は忍者屋敷をモチーフとしている。


油日駅の現状はこんな感じ!


忍者成分がストロングゼロのように強い場所だけれど、現状では忍者マンガは落ちていない。ちなみに自分がいる場所を中心に7つの枠があり、1枠に最大6冊のマンガが落ちている。ただ場所により枠は減少し、落ちている冊数も異なる。油日駅は4枠あるようだ。


ここにナルトと忍空を集めます!


3台の端末を使って人力で!


ここにNARUTO-ナルト-とNINKU-忍空-を集め聖地にしたいと思う。1台の端末で1冊までしか持てないので、私のスマホとiPad、カメラマンのスマホの3台で集める。3冊拾ったら、油日駅に戻りマンガを交換したり、置いたりして、また探しに行って、集まったら戻るの繰り返しだ。


東京で拾っていた忍空を置く!


東京でNINKU-忍空-を3冊拾っていたので、それを置くところからスタートだ。4つの枠でそれぞれ6冊置けるので、全部で24冊を集める必要がある。NINKU-忍空-を3冊置くので、これで残り21冊。もし集まれば素晴らしい景色になるだろう。


私の持って来た忍空の移動距離がすごい!


マワシヨミジャンプでは、その本の移動距離や回し読みされた回数もわかる。また本の感想などコメントを書くこともできる。ざっくりとした移動の軌跡もわかるので、その本の内容とは違う物語を感じられて面白い。私の持って来たNINKU-忍空-は3000キロ以上を旅していた。


これで残り21冊!


とにかく走り集める!

全ての巻数が配布されているわけではない。NARUTO-ナルト-は5巻まで。NINKU-忍空-は1巻だけだ。しかし、NARUTO-ナルト-はカラー版も5巻まで配布されており、それぞれにレア度というものがある。カラー版はレア度Aという高難易度になっている。しかし、集めたいと思う。ここを聖地にしたいのだ。


車で探しに出かける!


忍者成分が高い街です!


やみくもに走り回って探すわけではない。広域検索というものがあり、半径10キロ圏内に落ちているマンガがわかる。それでだいたいの場所を探して、カーナビにいれて、それに向かい走る。この辺りを車で走るのは初めてだけれど、忍者が多いことがわかる。


広域検索で探して、


マンガを3台分3冊ゲットして、


油日駅に戻り置く、を繰り返した!


最初の頃は油日駅周辺に落ちているので、割と容易に3冊を拾うことが可能だった。1時間くらいで拾って戻って来ることができる。しかし、周辺を拾い終わると段々と片道1時間などと移動距離が伸びてくる。油日駅が夢に出るほど何度も訪れた。


日が暮れても続けた!


マンガはランドマーク的なところに落ちているわけではなく、そこら辺に満遍なく落ちている。そのために家でも気軽に拾うことができるのだけれど、今回のように探すとなると、普通のところに落ちているので難しい。地元の人も来ないんじゃないか、というところにも落ちているのだ。


こんな場所にも!


道が暗いんだよ! 狭いんだよ!

忍者がいた街だからね。明るいと忍者も潜めないからね

右、これ当たるんじゃないか!

左も当たるって!

当てるなら左だよ!

自分だけ助かろうとするな!

俺は中忍試験落ちるタイプよ! でも生きる!

ナルト達を見習えよ!


油日駅に戻ってきました!


この日の成果です!


1日で18冊のナルトと忍空を集めることができた。観光は一切せず、食事も取らず、ひたすら集めた。なかなかに集められたのではないだろうか。これであと6冊。いいペースだ。今回は2泊3日のスケジュールを組んでいるので、少し余裕ができた。


24時前、ホテルでコンビニ飯


2日目の地獄

油日駅周辺にはホテルがなく、地元の人も言っていたけれど、観光地化されていない。確かにそうなのだ。だからこそ、懐かしい感じがする。実家に帰る感じだ。あと、地元の人はここに住む人はみんな忍者の末裔と言っていた。本当なのだろうか。


2日目スタートです!


マイページで探している本を登録することができ、登録しておくと通知が来る。「周辺通知」レーダー、というもので、ドラゴンレーダーみたいなものである。マンガを探すとは、もはやドラゴンボールを探すということなのだ。つまり私はブルマだ。


通知が来るので、


順調に3冊拾って、


油日駅に!


7回目の油日駅にやってきた。福岡出身東京在住の人の中で、油日駅に一番来ている人が私なのではないだろうか。2日で7回って地元の人でも来ないと思う。ただこれで忍者マンガの聖地が完成しようとしている。


あと3冊!


ただ集めるだけではなく、NINKU-忍空-は1巻を6冊、NARUTO-ナルト-は普通版とカラー版のそれぞれ1巻から5巻を各枠で揃えようとしている。全部揃えれば願いが叶えられるかもしれない。レア度Aが多いので険しい道のりと思われるけれど、ゴールはもう見えた。ちょっと忍者に触れてもいいんじゃないかな。


ということで、甲賀流忍術屋敷にきました


甲賀流忍術屋敷は観光用に移築や復元されたものではなく、当時の場所・状態で修繕・維持管理されてきたものだ。ここで忍者が生活していたのだ。どんでん返しや見張り窓などが本当にあったことを体験できる。


どんでん返し!


中二階から!


この家、外から見ると平家に見える。しかし、実際は3階建て。落とし穴もあれば、からくり窓もある。興奮して忍者の衣装まで借りてしまった。聖徳太子も忍者を使っていたらしい。ちなみに伊賀甲賀は敵対関係ではなく、協力関係にあったそうだ。木ノ葉隠れと砂隠れみたいなことだ、きっと。


展示もあります!


戦国時代には伊賀の「服部」、甲賀の「望月」と称されていた。確かに甲賀の街を走ると望月という名前を目にするし、甲賀忍者は薬に強かったらしく、現在の甲賀には製薬会社も多い。地元の人が言っていた元々はみんな忍者は本当かもしれない。


ただ甲賀流忍術屋敷に忍者マンガは一切落ちていなかった


がんばるぞ!

1時間ほど忍者屋敷を堪能した。めちゃくちゃいい施設だった。これがもし観光だったら、よし帰ろう、となるのだけれど、油日駅に忍者マンガを集めないといけないのだ。この後、栗東の方に走り、NARUTO-ナルト-をゲットした。


どこかわからないだろうけど、栗東!


広域検索も周辺10kmまでなので、もう出てこないの。しばらくやみくもに走り、広域検索をしてを繰り返してゲットする。片道2時間みたいな場所に行っている。死の森のサバイバルみたいだ。天の書と地の書を両方揃えるような困難さだと思う。


油日駅に戻り、


とりあえず揃った!


三回戦開始!

とりあえず揃ったので喜んで編集さんに電話で伝えると、「BORUTO-ボルト-もあるから」と言われた。さらに集めろとのこと。これは余裕と思って忍者屋敷に行ったのが仇になる気がする。油日駅から近い「油日神社」に揃えようと思う。


油日神社に来ました!


いい神社です!


1枠だけですな!(2枠ありますが、左の1枠は油日駅とかぶっています)


油日神社は甲賀の総社だ。忍者もここに来ていたことは間違いない。ちょうど1枠空いているので、ここにBORUTO-ボルト-を集めようと思う。BORUTO-ボルト-は1巻しか配布されていないので、NARUTO-ナルト-1巻から5巻とBORUTO-ボルト-1巻にしようではないか。


ボルトも集めます!


集めるぞ!!!


車でだけど!


難易度は高い。BORUTO-ボルト-のレア度はCだけれど、今回はあまり見かけていない。東京でもたまにしか見かけなかった。さらに周辺のNARUTO-ナルト-もほぼ全て拾い尽くしている。1日目は15時間探した。この日も朝8時からずっと探し続けている。さて、どうしたものか。


忍者市駅に来てみました!


とりあえず、三重県・伊賀の「忍者市駅」に行ってみた。本当は上野市駅なのだけれど、2019年から愛称として「忍者市駅」を使っている。忍者電車も走っている。駅舎は普通だけれど、忍者押しだ。


忍者電車!


車内も忍者!


ただ忍者マンガはなし!


忍者マンガはなかった。ただし「ギャグマンガ日和」の3巻が落ちていた。人気の奥の細道シリーズが載っている。ここは忍者市であり、松尾芭蕉の生まれた場所でもあるのだ。やはりマンガと場所がリンクすると感動する。


松尾芭蕉の像が駅前にあります!


途中でナルトを拾いつつ、


やっと見つけたボルトを拾いに行きます!


ただ道が狭いし暗い!


こんな山の中にボルトあるの? 暗いし、狭いし、霧も出てる!

霧隠れの抜け忍がいるかもよ!

俺、あの話、泣いたんだよ、そして、今も泣きそう! 運転が困難!

左、当たるって!

当たるならそっちだよ、俺は助かる

ナルト達に学べよ!

昨日の再放送みたいだな!

昨日は滋賀で、ここは奈良!

お、鹿いるぞ!

鹿より道を見ろよ!


鹿が出ました!


これなんか出るんじゃないか?

鹿は出た!

いや、霊的なもの

怖いよ、そんなこと言うなよ!

肩が重い気がする

昼間、忍者屋敷ではしゃいで、なぜか車に乗る時に肩をぶつけたからでしょ!

この辺が地図の場所だけど、ボルトは落ちてない?

圏外ですね!

心霊より怖いよ!


圏外でした!


BORUTO-ボルト-が落ちている場所に来たけれど、なぜか「圏外」だった。拾うことができない。ここまで片道2時間以上をかけたけれど、BORUTO-ボルト-は手に入らなかった。NARUTO-ナルト-を2巻ほど拾えたので、油日神社に戻る。往復4時間だ。


油日神社に戻ってきました!


少し揃って来た!


24時過ぎ、ホテルでコンビニ飯


最終日、揃うのか?

2日目は16時間も探していた。伊賀牛などを食べたかったけれど、時間がなくコンビニ飯だった。いよいよ最終日だ。BORUTO-ボルト-とNARUTO-ナルト-3冊集めるといい感じに揃う。そして、ホテルで驚いた。めちゃくちゃ近くにBORUTO-ボルト-が落ちていた。昨日の山の中はなんだったのだろう。


ホテルの近くに落ちていたので、


ボルトをゲット!


一度、油日神社に戻り、BORUTO-ボルト-を置いて、最後のNARUTO-ナルト-探しに出かけた。やみくもに1時間以上を走り、奈良県でとうとう見つけることに成功した。しかも、レア度AのNARUTO-ナルト-を。奈良県が好きになった。もともと好きだけどさらに好きになった。


最後の一冊を拾いました、なぞの場所で!


嬉しすぎて、この街のゆるキャラグッズ買った!


山添という村だけれど、NARUTO-ナルト-がいろいろな所に落ちていて、この村だけでこの日のノルマを達成することができた。戻ろうではないか、我が油日に。これで全てが揃うのだ。素晴らしい眺めだろう。


油日神社に戻ってきました!


全て揃いました!


油日駅!


全て揃いました!


ポイントは、カラー版が1巻から5巻まで2枠揃い、白黒版も1巻から5巻まで2枠揃い、そのうち1枠はBORUTO-ボルト-もある。NINKU-忍空-も1巻だけ6冊も揃っている。忍者の聖地にふさわしいラインナップになったのではないだろうか。


こんなに違うからね!


結局、3日間かかった。1000キロ以上を走った。全ては回し読みのためだ。誰かのためなのだ。だって、私はNARUTO-ナルト-全巻持っているから、Kindleで。でも、Kindleは回し読みできないので、マワシヨミジャンプなのだ。NARUTO-ナルト-とNINKU-忍空-を読みたい人は油日駅に行ってください。


疲れたけどね!


聖地を作るということ

回し読みは懐かしい文化だった。そこに登場したマワシヨミジャンプ。素晴らしい取り組みだと思う。ちょっと時間が空いた時にアプリを立ち上げれば、何かのマンガが落ちている。最近はいろんなサイトで試し読みができたりするけれど、「マワシヨミジャンプ」はジャンプ作品や雑誌を一冊まるごと読むことができる。問題はどこに何が落ちているかはランダムなこと。いま、油日駅には大量の忍者漫画落ちています、チャンスですよ!


甲賀はなんでも忍者だった!




地主恵亮(じぬしけいすけ)
1985年福岡生まれ。基本的には運だけで生きているが取材日はだいたい雨になる。
2014年より東京農業大学非常勤講師。著書に「妄想彼女」(鉄人社)、「インスタントリア充」(扶桑社)がある。
Twitter:https://twitter.com/hitorimono
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