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【第1回】ジャンプの連載マンガ家ってどんな生活をしてるの?ピザパーティを口実に若手ギャグ作家の作業場を見学してきた




こんにちは。『ジャンプで××やってみた』所属ライター1号、おげんきと申します。ほんの少しくたびれてます。お気になさらず…。

冒頭からのゴマすりで恐縮ですが、僕は週刊少年ジャンプが大好きです。




週刊少年ジャンプとは、毎週月曜日に発売されている少年コミック誌。

やれ出版不況だ、やれ電子化の波だ、やれ「もう読むマンガなくなったわー」と言われながらも、なんだかんだで売れ続けてる。
やっぱ日本一の少年誌!って感じもしますが………。




ジャンプって一冊だいたい20本のマンガが載ってるんですよ。

もちろんすべてが超絶ヒットしているわけじゃなく、「これから」のマンガもたくさん載ってるんですね。
コミックスが爆売れしてて、アニメ化もされていて、海外でも人気で、日本中子供達も熱狂している……

そんな超ヒットマンガばかりじゃないんです!


よ!!!



売れる前の「これから」の作家さんは、
印税で豊かな暮らしをしているわけでなく!

なく………

なく………?

………?



あれ?「これから」のマンガ家って、どういう暮らしをしているんだ?

お金あるの?1日中漫画描いてるの?ていうかマンガ家って、普通の人と人間的に同じ生き物なの……?

わからん!教えてジャンプ編集部!!



編集部への取材依頼


ジャンプ編集部にやってきました。ゴミゴミしてるな…。


「教えてくださいよ、編集さん!齊藤さん!」

「いいですけど、そんなおもしろくないですよ?」

「いつも会ってるから、そう思うだけですよ」

「そうですかねえ。じゃあ僕の担当してる作家で、長谷川くんってのがいるので、彼の仕事場に行きますか?」


【長谷川智広】ギャグ漫画家。
2013年『恋のキューピッド 焼野原塵』で連載デビュー。2016年より『青春兵器ナンバーワン』を連載中。


「え?仕事場?」

「行きましょう、これから原稿取りに行くんで」

「いま?マンガ家さんの仕事場って、そんな簡単に行けるもんなんですか?」

「原稿終わった後だから暇ですよ。このマンガまだ2巻が出たばかりだから。もっと知名度も欲しいし

「これから」感が出てますね…」

「その通り「これから」なマンガなので…」

「じゃあ手土産を用意したいんですけど、「宅配ピザ」頼んでもいいですか?

「どうしてピザなんですか?」

「ちょっと前なんですけど、この記事を読んだんですよ。ピザ、仕事の効率を上げるらしいですよ!」


現金よりもピザ。従業員のやる気を引き出す最も効果的報酬はピザであることが判明(米研究)
「カラパイア」※外部サイトに遷移します。


「マンガ家さんがおいしいピザを食べて幸せになって、効率を上げて、おもしろい漫画を描いて、売れて、こうして記事もできちゃう。一石何鳥ですかこれ!」

「ピザって手が汚れるから、マンガ家はあまり食べたくない気もするけどなぁ…」

「大丈夫ですよ。「ピザ代をお支払いするので、家、ついて行ってイイですか?」みたいな感じで良くないすか」

「モロじゃないすか」

「では、長谷川先生の仕事場にレッツゴー!」



長谷川先生の仕事場へ

集英社ビルのある都心から約1時間。神奈川県川崎市のマンションの一角に、長谷川先生の仕事場はありました。

ピンポーン。ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン。



「………出ねえ(怒)。ちょっと待ってくださいね。電話します」

「マンガ家さんって夜行性ですよね。まだ寝てるんですかね…」

「長谷川くん?寝てた?もう来てんだけど。……押してるよ。押してるよ!」

「(玄関を開けて)……すみません…。インターホン、壊れてるみたいで」

「こっちは鳴ってたよ(怒)」

「本日はよろしくお願いします。では失礼しまーす!」



「インターフォン、通電してますね」

「でも部屋が鳴らないんです。直らないんですよ。そういうもんなんですかね…

「(…?)本日はよろしくお願いします。まず、先にピザを注文しましょう。」

「え?あ、はい。インタビューって、ピザがいただけるんですね」

「そうですね。〝インタビューといえばピザ〟みたいなところはあります」

「そういうもんなんですね」

「いつか詐欺にあいますよ」



買われたのは「姿勢」のみ


「じゃあおげんきさん、ちょっと先に原稿チェックするんで、その間に写真撮っちゃってください」

「え?写真撮るんですか?ヒゲも剃ってないしパジャマだし」

「顔は写さないのでご心配なく」

「でも部屋も散らかってるし…」

「長谷川くん、このキャラの表情さぁ…」

「はい」



完全に仕事モードに入ってしまったので、今のうちに写真を撮っておくことに。

まずは仕事場の図解から。

我ながら完璧な見取り図ですね。建築設計士を親にもつ僕にとっては、造作もないことです。

間取りは3SLDKと、アシスタントさんが4人入っても申し分ない広さ。



アシスタントさんの寝床の1つが、陽当たり良好なサンルームというのが不憫ですが、きっとアイマスクでしのいでいるのでしょう。



マンガ家でない限り、一般家庭にはないオフィス家具。それがこの「トーン棚」。



この絵でいうと、マフラーや髪の毛の外側の部分。よく見ると、マンガには真っ黒に塗られてない、「ツブツブ」になっている場所がありますよね。そこに貼られているのが「スクリーントーン」という半透明シールなんです。最近はデジタルで絵を描く作家さんも増えましたが、長谷川先生のような手描きのマンガ家さんは今でも愛用しています。



齊藤さんいわく「マンガ家の冷蔵庫って大体こんなもんですよ」とのこと。パワーがつきそうなドリンク。体に良さそうなジュース。頭を回転させるための甘味。と、マンガ家の願いや祈りのようなものが反映されています。



長谷川先生の机周り。壁には他のマンガ家さんからの応援色紙がズラリ。



長谷川先生の机。格闘の跡が見て取れる。



マンガ、脚本術、画集、ジャンプ、捨てられない紙袋など、資料の棚。棚の上をよく見ると、ウルトラマン御一行が。一体ン万円くらいする精巧なフィギュアを、貯めたお金で少しずつ増やしているらしい。


…と、そろそろインタビューに戻りたいけど、話しかけて大丈夫かな…。



「原稿修正の最中にすみません、お話ししても大丈夫ですか?」

「あ、大丈夫ですよ。ペン入れ作業中のままでよければ…」

「ありがとうございます。では自己紹介をお願いします」

「長谷川智広です。神奈川県川崎市出身、1990年7月31日生まれの26歳です」

「この仕事場にお住まいなんですか?」

「基本的にはここで暮らしています。でも実家が歩いて5分なので、折をみては逃げ帰って、親のごはんを食べてます。実家だと洗濯も掃除もしないでいいので楽です」

「え。この辺なんですか実家」

「そうですね。齊藤さんに仕事場を決めていただく時も、できる限り実家から離れたくないって伝えました」

「ひと山当てるために上京して…とか、ジャンプのマンガ家さんって、もっとチャレンジャーなイメージがあったんですけど。パラサイトシングル感が強いですね」

「実家だとニートみたいに何もしていませんね。ハハハ…」

「…お前。内弁慶だったのか…!!」

「『青春兵器』知ってる人にしか伝わらないやりとりやめてください(笑)。仕事場を探すのは、担当さんの仕事なんですか?」

「一緒に探しますね。不動産屋で「マンガ家です。広めの家を貸してください」って言っても、めちゃくちゃ怪しまれるんですよ。集英社の名刺で信用させます」

「集英社おそるべし…。お2人は、なんだかツーカーな雰囲気があるんですけど、いつ頃から組んでるんですか?」

「2010年6月、大学生の時ですね。ジャンプの月例賞の投稿作品が最終候補に残ったんですが、そこで齊藤さんに拾っていただきました。当時の僕は自信満々だったんですけど…。初めて会った時に、「僕のマンガのどこがよかったでしょうか?」って聞いても「いいとこはないんだけど、頑張ってることだけはわかったから」って言われました」

「言いようってなかったのかな」

「そこから、まずは賞をとらなきゃねって言うことで、描いては見せ、描いては見せを繰り返してました。駆け出しの時は『まずは原稿にして』という編集さんのほうが多いみたいなんですが、齊藤さんは、原稿をネームの段階からチェックしてくれたんですよ」



こちらがネーム。セリフとコマ割りを書いた程度の、マンガの設計図のようなもの


「ネームって、下ごしらえのような段階で、まだ完成品とは言えないものじゃないですか。その段階からチェックするっていうのは、齊藤さんの編集方針なんですか?」

「そうですね、ずっと聞いてみたかったんですけど、どうしてネームで見てくれたんですか?」

全然覚えてないですねえ…

「えっ」

「まず賞を取る、という目的だったら〝審査員に才能を見せればいい〟。だから、絵よりもネームを磨く…みたいな考えだったとか?」

「いや、わかんないです。絵も絵で全然足りてなかったんですよ。見てみます?長谷川くん、最終候補に残った原稿ある?」

「ありますけど…」


「あああ、もう!ヤバいっすね…。持ってくるんじゃなかった…。えっ!まさかこれ公開するんですか?」

「もちろんです」

吐き気が止まらない



壁の年表を見るに、これが2010年の作品。そこからバトル漫画での成功を狙うも、齊藤さんが「ギャグ以外まったくおもしろくない」と一刀両断。長谷川先生はもともとギャグマンガ家になるつもりはなかったが、次第に齊藤さんが笑ってくれるのが嬉しくなって、ギャグ作家に転身したそう。



古味先生への大恩


ジャンプの大ヒットラブコメ『ニセコイ』のサインが壁に。


「あれどうしたんですか?」

「僕以前、『ニセコイ』の古味直志先生のアシスタントだった頃があるんですよ。その縁で描いていただきました」

「ああ、なるほど!そういうジャンプ作家さん同士の師弟関係って、実在するものなんですね。え、でも、マンガ家さんのアシスタントって、どうやって入るんですか?弟子入り?」

「古味先生は齊藤さんの紹介でしたね。修行してこいって言われました」

「長谷川くんはこのままじゃどうにもならん!って思ったんで、僕の担当作家だった古味先生に「悪いけど彼の面倒を見てくれないか」ってお願いしたんですよ」

「修行だと、古味先生の仕事場では、なにをしていたんですか?」

「ほかの人と同じように背景の作画と、ベタ塗りやホワイトなど、仕上げをやらせていただいてました。いま僕が作家の立場になってわかるんですけど、古味先生はほんとうに懐が深い」

「と言いますと?」

「僕、僕みたいなやつが来たら絶対雇いませんよ!」

「言い切った」

「『ニセコイ』なんていうすでに売れてる作品で、僕みたいな経験のない人間をわざわざ雇ってくださって。文句も言わずに背景を描かせてくれた。古味先生は、本当に、本当に、本当にいい人です。おかげさまで、いい修行ができました」

「そんなに下手に出なくても…」

背景をまともに描いたことすらなかったんですから。「二点透視」とか、点を取って背景を描くと言うことすら初耳。ヤッバイほど救われました!僕みたいに救われたアシスタントさんは他にもいますよ」



この真ん中のコマの背景が、長谷川先生の仕事だそう。メインキャラ以外の、いわゆるモブキャラの作画も、主にアシスタントさんの仕事だ。長谷川先生、ここでも「足がヤバイ…」と反省。



ジリリリリン。ジリリリリン。ジリリリリン(長谷川先生、携帯が鳴る)。



「…あれ…。知らない番号だ…。大丈夫です」

「いやいや、出ていいですよ全然」

「すみません…。…………はい…。はい……」

「………?」

「はい……ピザの………。インターフォン鳴らな…あっ!…はい…いま開けます……(玄関へダッシュ)」

「ピザ来ましたね」

「マジでインターフォン聞こえない!いわんこっちゃない!」



「自分もアシスタントも、おのおのの席で食べる」そう。つまりテーブルがないので、おーいお茶で代用。



◆本日のピザ◆
ピザーラ『モントレー(トマトソース)』

ポテト!マヨネーズ!ズドン!!な、シンプルかつパワフルな1枚。長谷川先生の実家では「これしか頼まない」くらいの定番メニューだが、アシスタントの知名度はイマイチ。反対派に押されるため、普段は渋々テリヤキを食べているそう。齊藤さんも、宅配ピザといえばピザーラ派。そしてピザーラといえばこれ一択らしい。


「これめちゃくちゃおいしいですよね…」

「おもしろいネーム期待してるよ」

「また吐き気がしてきた」



新キャラキモい事件

「あれ…?」


「ところであの壁に貼ってある、ディズニーキャラの出来損ないみたいな…。生首はなんですか?」

「この前、原稿チェックの段階で、全部描き直してもらったキャラですね」

「あっ!!(見比べる)」


▼描き直し前▼


▼描き直し後▼


「あー!ほんとだ、全然違う!!!」

「前の絵だと、なんで顔が縦に長いんだよ?とか、頭が長くてヤバイし、目もなんかヤバくて。何もかもヤバい。

「言いすぎですって(笑)」

「翌週、アシスタントさんに、全部描き直しをしたんだって説明したら爆笑されて。戒めとして貼っておこうぜって壁に」

「アシスタントさんからそんな仕打ち受けるんだ(笑)。いや、確かに前の絵は、ちょっと…(笑)。わざと…じゃないですもんね?長谷川さん的に、気持ち悪いという意見が飛んでくるなんて、露にも思ってない」

「はい、普通に描いたつもりです」

「齊藤さんとしては、原稿を見てえっ?って感じですか」

絶対に人気出ないと思った

「連載始まって以降、一番怒られました」



長谷川智広、霊圧高め?


「長谷川先生。なんでジャンプを選んだんですか?」

「それ以外ほんとに雑誌を読んだことがないんですよ。コロコロのコミックス派を経て、『ONE PIECE』からジャンプの雑誌に来たんです。で、齊藤さんと出会った大学生の時はもう『BLEACH』一色」

「ちょっと鬼道詠唱してみて」

「詠唱?」

「どれだろ?一番長いのは黒棺ですかね。
滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し 痺れ・瞬き 眠りを妨げる 爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち 己の無力を知れ!! 破道の九十「黒棺」!!!!

「(コミックスを見ながら)ああ、合ってる!すごい(笑)!ただの『BLEACH』ファンだった」

「僕はファンっていうかもう信者ぐらい。巻頭の詩もすごいかっこいいんですよ!「僕は ついてゆけるだろうか 君のいない世界のスピードに」とか。あれはシンプルでいい、すごい!」

「久保先生みたいな作品を描きたかったんだ?」

「そうですね!」

ずいぶん遠いところに…

「なんでこうなったか、全然わかんないです」

「ピザ食べて、テンションが上がったら、アツいバトル展開も描けるようになりそうですね!」

「……」

「……」

「すみませんでした」



尻に火がつかないと…


「連載をやってて、1週間どういう生活リズムになってるんですか?」

「ネームを3日か4日くらいで描いて、作画を大体4日くらいですね」

「え、じゃあ眠れてます…?」

「作画中は、齊藤さんが来る直前以外は寝たりはしないんですけど、ネーム中は本当…………………」

「…」

寝てますね

「ためて言う事じゃないですよ」

「あの…ちょっと、隣に齊藤さんがいるから話しにくい的な…」

「どういうこと?」

「いや、本当は時間をフルに使って真面目にプロットをやって、次はネームだと思うんですけど」

「言いよどんでますが…」

「最初の2日3日は机に向かうために使ってしまうというか。ひたすらやる気との戦い。用意ドンでスタートしたら、そっから10時間後には描き終わってるって感じなんですけど」

「えっ、じゃあもっと早く描けるんじゃん!!」

「だから言いたくなかったんですね(笑)」

「気持ちはわからんでもないから、最終的に辻褄を合わせれば俺は別にいいんだけど」

「だから、本当に僕はいま連載が全然苦しくないんですよ。ぶっちゃけ、齊藤さんさえ担当だったら僕はずっとやれるんじゃないかってくらい楽させてもらってます」

「ジャンプの連載作家から〝楽〟ってキーワードが出るとは思ってもいなかった」

「ギャグマンガのそういうタメの部分はわからんでもないっすけどね」

「それと、プロットって1回も描いたことがないっす…」

「プロットってなんだかよくわかってないでしょ?」

「わかってないっす。なんかよくト書きだとか、そういうのよくわかんないっす。本当に頭から描き始めて終わりまで描いてる」

「そうすると、ストーリーを作る順番は?」

「打ち合わせで齊藤さんと大きな筋はほぼ作って、だから本当に頭からネームを描き始めます」

「打ち合わせで、15ページの構成はほぼ出来あがってる状態なんですね」

「はい。そこから2日3日机に向かう戦いをして、10時間で書き上げて、徹夜で作画するというリズムです」

「その勢い重視のやり方だと、天才以外は仕事が長続きしないよ…?」

「すごくよくないとは思います」


突如、見える自信


「ときに、Wii Uが現役バリバリな雰囲気で置いてあるんですが…。ゲームが趣味なんですか?」

「ゲームというか、趣味は『スマブラ』です」

「狭い狭い狭い(笑)」

「いや、本当なんですよ。ゲームは全然しません」

「何を言ってるかわかってます?」

「ちょっとやってみようよ。どれくらいのものか」

「おげんきさん、Wii U『スマブラ』できますか?」

「いや、全然。かじった程度で…」

「あ、ヤバい、ガチっぽい…」

「どうしてそんなに警戒してるんですか(笑)。いや、本当に全然!基本的にゴリ押しでなんとかクリアできるゲームしか遊ばないんですよ」

「とりあえずやってみてください。マンガ家界隈で、古味先生と長谷川くんはマジで強いらしいんで」

「じゃあお願いしまーす」

「お願いします!」

(カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ)

「ちょっ、えーっ!うわー、負けた!」

初心者…(笑)

ええええ!?

「古味先生との対戦プレイ動画もあるらしいんで観てみましょうよ」

「いや…今の顔…あの…」

「古味先生めちゃくちゃうまいんです。年末休みの時に、1日『スマブラ』をする日があって。2015年は僕が7対5で勝ち。2016年は僕が5対7で負けたんですけど」

「はい」

「僕は感覚で操作するのでマリオ派。ステージから落ちたらひたすら一定の動きをするっていう、ひたすらの1点読みですね。僕のその戦法に向いてるキャラがマリオなんです。古味先生は理詰めで操作するからルイージ。相手がこうきたらこうする、みたいなセオリーが頭の中に入ってて、その場その場でパターンに対応しているんですよね。僕と古味先生で、完全に戦い方が違うんですよ。でもお互い、何のボタンを押せばどう動くかって言うのは訓練したのでちゃんとわかってる。古味先生の場合は特に、最初に僕と戦った時はまだ地域で一番強い、くらいのレベルだったんですけど、僕に負けてからがすごくて。『ニセコイ』の連載と並行しながら猛特訓してたんですね。その努力もさることながら、そこまでやりこんでもまだ奥があるのが『スマブラ』。だから趣味はゲームでなく『スマブラ』と言っても、他の趣味と遜色ないくらい深いわけですね」

饒舌

「マンガもそれくらい考えて欲しいな…」



これからの目標

「話を戻します。そうだなあ、今後この『青春兵器ナンバーワン』、どうなりたいですか?」

「ちょっとでも長く続けられたら嬉しいなあって」

「さっきの声どこいったんですか」

「『スマブラ』はどうなりたいの?」

「『スマブラ』はできればガチ勢って呼ばれてる人たちと肩を並べたいですけど。でもどうなんすかね…僕も動画はめちゃくちゃ観るんですけど、多分いまの僕以上にいくには、オフ会とか色んなところでやってるじゃないですか?そういう場所に通わないとうまくならないなーと思って。そこまでいくと『スマブラ』が本職(笑)。生活もしなきゃいけないんで…。とりあえずの目標は古味先生に勝ちたいです。年1回の戦いではドローですけど、いまの時点では古味先生が強いという気持ちで挑むつもりです」

わかりました

「『スマブラ』の方が長くなかったです?」



がんばれ長谷川智広先生

というわけで、『ジャンプで××やってみた』「ジャンプの連載マンガ家ってどんな生活をしてるの?ピザパーティを口実に若手ギャグ作家の作業場を見学してきた」いかがでしたでしょうか。少なくとも『スマブラ』愛は伝わったんじゃないでしょうか…。

この記事が世に出たあと、次に取材を受けてくれる作家さんは現れるのか!?超不安ですが、次回に乞うご期待です。

そうそう、『青春兵器ナンバーワン』2巻が4月に出たんで!よろしくお願いしまーす!!

コミックス購入はこちら!

※デジタル版は4月18日配信です。


ライター/おげんき

フリーライター。えびかにいかたこねこアレルギー。『週刊少年ジャンプ』で、読者ページ「スクールオブジャンプ」を連載中。ツイッター→https://twitter.com/o_genki